六甲山全山縦走

それは須磨から宝塚までの山峰をたどる全長56kmのロングコースだ。

単身赴任先の父親から、こんなコースもあるぞ、と聞いたときは
そのあまりの長さにむちゃくちゃする人もいるもんだな〜と
半ばあきれていたのだけれど

小説「孤高の人」で加藤文太郎を知り、
さらに小説を回し読みしているうちに
僕たちはいつかしら、この縦走に挑戦してみたいと思うようになっていった。

それからというもの
僕たちは六甲を目標に地下足袋で野山を練り歩き、
食事は甘納豆と乾し魚でしのぎ
さらには庭にテントを張って寝ると言う荒行で
いつの日かやって来る挑戦の日に備えた(嘘)


そして六甲挑戦の機会は予想ガイにはやく訪れた。
年末年始の青春18切符とムーンライト九州を抱き合わせた旅を
突然Y中氏がぶち上げたのだ!


メンバーは
真夏に戸畑から飯塚まで40km歩き熱中症になりかけた匿名係長I村氏
通勤時小倉から門司まで毎日走って駆け抜けるジョガーM野氏
人生の岐路を今秋に控え、最後のあがきであと半年登りまくる決意のリピートY中氏
そして突然昨年から山に目覚め、5月には2週連続で宮之浦岳に登頂したカシアスN藤

という4人の変人ツワモノが集結した。

そして1月5日夜、僕たちは九州を発つ計画を立てる!

(次へ)