こうして、黒岳登山は多少の雨はあったものの、成功のもと終了。
しかし下山は16時30分過ぎ、ここから湯布院で風呂に入り、
さらに飯塚経由で北九州に帰ると時刻は22時が近かった。


雨の中の登山だったせいか、
登山中には感じていなかった疲労が体中に漂う。
それでなくても二日酔いで午前2時半起きだったし・・・。
次の日の仕事が思いやられるぜ。


しかし、そんな疲労感の中、
僕は自分の中に何かがふつふつと生まれてくるのを感じていた。

早起きでつらいとか、雨の中何時間も歩かないといけないとか、
次の日の仕事がきついとか、
そんな他愛ない事をはるかに超越した感情。
もっと・・・、もっと皆でいろんな山に登りたい。


というか、むしろ山登りのためなら、
無茶な早起きをする事にすら楽しさを覚えてしまったのだ。
この高まる感情はなんなんだろう?
よくわからないが兎に角、ものすごい充実感を感じたことは間違いない。


今回、確かに体は疲労した。
しかし、それ以上の何かが僕の中に植え付けられた気がする。

2005年、ある秋の日の出来事・・・・・。


(おしまい)